もち麦の食物繊維は白米の約26倍! もち麦を食べるメリットと健康効果とは

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これまで毎日のように白米を食べていたのだが、健康を気にするようになってから、白米を摂取することを控えたいと思うようになった。
そこで、白米の代替えとして「もち麦」を摂取するのはどうかと考え、その健康効果について考えてみる。
もち麦には「大麦β-グルカン」が豊富に含まれている
もち麦には100グラムにつき9グラム程度の大麦β-グルカンが含まれている。
大麦β-グルカンが小腸に入ると、短鎖脂肪酸という、腸にとってとても大切な脂肪酸が作られる。
この短鎖脂肪酸が腸を刺激し、インクレチンという、膵臓にインスリンの分泌を促すホルモンの分泌を促してくれる。
この効果により、大麦やもち麦を摂取すると、普通の食事よりも、インスリンが早く分泌される為、血糖値が上がりにくいという状態になる。
つまり、血糖値が上がりすぎる前にインスリンの分泌を促してくれるから、血糖値上昇を抑えられるのだ。
以上のことから、もち麦は糖尿病の予防、改善効果が期待できるといわれている。
大麦β-グルカンによる「セカンドミール機能」
もち麦に含まれる大麦β-グルカンには、さらに「セカンドミール機能」と呼ばれるものがある。
これは、朝食で大麦を食べた後では、大麦を食べない昼食の時でも、血糖値の上昇が緩やかになるというものだ。
実際に検証した結果、朝食で大麦を食べた場合、その後に通常の昼食を食べたとしても、44%も血糖値の上昇を抑えられたという事例がある。
ちなみに、大麦を食べた朝食自体の血糖値の上昇も、なんと53%も抑えられたとされている。
ただ、このセカンドミール効果は人によって効果はまちまちで、特にプレポテラ菌という腸内細菌が腸内に多い人にとっては凄く有効だという。
プレポテラ菌とは、穀物や食物繊維をたくさん摂取する人に多い乳酸菌だ。
では、どんな食事をしている人にプレポテラ菌が多いのか?
プレポテラ菌を多く持っている人は、普段から食物繊維や、炭水化物をしっかりと摂取している人に多い傾向がある。
だが、今からでも食事内容を改善することで、腸内環境を整えることは可能。
もち麦によるコレステロールの低下作用
もち麦に含まれる「大麦β-グルカン」には、コレステロールを低下させる働きもある。水溶性食物繊維のβ-グルカンは、コレステロールを原料に作られる胆汁酸を排出する働きによって、コレステロールを低下させてくれる。
また、大麦β-グルカンは消化器官の中で水分を含んでゲル状になり、その中に食べたものを取り込む性質があるため、糖質などの吸収をおだやかにする働きがある。
よって、急激な血糖値上昇が抑えられるため、糖分が中性脂肪に変化するのを減らす働きをしてくれる。
もち麦はどのくらい食べれば良い?
1日の大麦β-グルカンの摂取量は3.5g程度あれば良いとされていて、もち麦に含まれる大麦β-グルカンは100グラムにつき9グラム程度だから、1日あたり50gのもち麦を摂取すれば良いということになる。ちなみにこれは炊く前の状態で50gという意味だ。
これなら無理なく続けられそうな気がしてくるのも嬉しい。
また、もち麦には食物繊維が多いことで腸内環境も整い、便秘の解消やお通じが解消されることで、ダイエットにも一役買ってくれそうだ。
仮に、白米をもち麦100%に置き換えた場合、1善で150gとして炊いた後のカロリー差は、「白米 : 244キロカロリー」、「もち麦 : 181キロカロリー」になるから、白米をもち麦に切り替え、今まで通りの量を食べればそれだけでもダイエットの手助けにもなる。
もち麦を食べる時に気を付けたいこと
こんなにもメリットの多いもち麦だが、気を付けなければいけないこともあるようだ。
セリアック病といって、小麦に強い反応を示す人の場合、アレルギーを引き起こす可能性がある。ただ、危険性としては小麦よりもよっぽど低い。
それに加え、大麦と小麦の大きな違いは、タンパク質の性質が全く異なるということ。
小麦にはグルテンが含まれているが、一方で大麦には小麦ほどグルテンは含まれていない。だからといって、大麦は正式なグルテンフリーではないことは覚えておきたい。
小麦に含まれているタンパク質はグリアジンとグルテニン。一方で大麦に含まれているタンパク質は、ホルデインというタンパク質。ホルデインも、グリアジンも、プロラミンというタンパク質の一種に分類されている。
こういった理由から、グルテンは少ないけど、グルテンフリーにはならない。
しかし、グルテンフリーを気にしている人でもよほどの症状がない限りは安心して良いと思う。
なぜかというと、実は小麦が腸に良くないというのは、グルテニンではなく、グリアジンの方だからだ。
性質は似てるけど、大麦に入っているホルデインはグリアジンのような強い作用があるわけじゃないから、健康な人が食べる分には全然問題ない。
ここまで書いてきて分かることは、多くの人にとって「もち麦」は摂取することのメリットはとても大きいということ。
もち麦は食べるのに少しクセがあるから、いきなり白米をもち麦に100%置き換えるのは少々難しいかもしれない。
それでも白米に混ぜるかたちで少しずつもち麦の割合を増やしていき、最終的には100%の置き換えをしていきたい。